2013-01-01から1年間の記事一覧

戦死者の慰霊について考えたこと

ツイッターに書いたことに少し加筆してまとめ。フェイスブックとは重複御免。 僕は、この件に関して、塚本学さんという歴史研究者が「「戦没者追悼平和祈念館」と地方史」という論文(エッセイ)http://ci.nii.ac.jp/naid/40002374704 …にまとめられた見解に…

正義ではないかもしれないけど

21世紀の世界では、善意と攻撃、協調と対立、戦争と平和、自由と束縛、連帯と分断の区別があいまいになり、時に一体化している。そこでは平和のために戦争が必要になり、人道のために殺し、協調のために敵を作り、自由を守るために人を拘束し、それが市民の…

まるでブログなかパレ!

昨日は「Osaka Against Racism! 仲よくしようぜ!パレード」に参加してきた。約600人が、御堂筋を淀屋橋から難波まで歩いた。終了直後の僕のツイート。 個人的にぐっときたのは楽隊から全然練習してなかったアリランが綺麗に流れたときと、参加者の人の一人…

「慰安婦」には軍が関与していた

永井和『日本軍の慰安所政策について』という論文がネット公開されているのを知った。 この論文、かなり興味深い。メインのテーマは「慰安婦」の募集についての規制を含む1938年3月4日付の陸軍省副官通牒*1の解釈で、結論としては、「慰安婦の募集と渡航を合…

『秀吉の対外戦争』

井上泰至、金時徳『秀吉の対外戦争:変容する語りとイメージ: 前近代日朝の言説空間』の感想。この本は江戸時代初期からの「朝鮮出兵」を扱った日本の書籍についての論文集だ。まず、上記のようなものがかなりたくさん出版されていたという事実に驚く。もう…

日本と韓国のナショナリティ(とローカリティ)

金明美『サッカーからみる日韓のナショナリティとローカリティ』読了。清水市と西帰浦市(済州)で、(少年)サッカーをめぐる様々な実践をフィールドワークしたもの。日本と韓国のナショナリズムの成立ちの違いについての結論が興味深い。大胆かつ大幅に要…

日本は普通じゃない方がいいのじゃないか

まえおき たとえば「在日コリアンが持っている『特別永住者』という在留資格はおかしい。日本国籍を取得させるべきだ」という考えがある。また「日本国は様々な民族からなる国家になるべきだ。日の丸はその国家の象徴になるべきだ」という考えもあるように思…

排外主義への対抗について

3月31日に、鶴橋での排外主義デモのカウンターに行った。もちろん、僕は大したことはなにもしていない。こういう行動では人数が多いことが大切だと思うのでその一翼を担ったという気持ちはあるけど、別に人を誘っていったわけでも、宣伝をしたわけでもな…

2.アウトロー社会史本

もちろん、これは包括的なリストではない。というか、今回はシステマティックな文献検索はしていない。あと「社会史」ということで、主に現代を扱ったものは入れなかった。以上をお断りしたうえで、今回読んだ本を軽く紹介。 猪野健治1999-2011 『やくざと日…

1.はじめに:「なぜアウトローなのか」

日本の「アウトロー」と呼ばれる界隈について、調べたり喋ったりしている。といって、現実のそういう世界に興味があるというわけでは必ずしもない。そもそもの発端は左翼の将来について考えていて、そこでなんだかもやもやしたことだった。しっかり調べたわ…

ソウルにおける日本、のようなことなど

ソウルにまた行ってきた。実は、僕はここ何年も韓国に行き続けていて、初めて行った2006年以来、この7年で7回目の渡航になる。なぜそんなに何回もいくのか?僕は特に韓国のどこが好き、というわけではない。タレントさんとかでも特にファンはいない(「イ・…

やっぱり今のポルノは問題があると思う

昨日から会田誠の作品展への抗議について考えている。主に表現の自由という観点からあれこれ書いているのだが、それだけでよいのか、という問題は残る。確認しておくと、僕は表現は基本的に自由であると考えていて、それが大規模に流通するような場合に、公…

文楽:忠臣蔵の感想

11月に文楽:忠臣蔵の通しを見にいった時の感想。フェイスブックより転載。======昨日の文楽でとても印象に残ったのは、「嘘のつき方」の細やかさだ。文楽はもちろん、人間が人形を操り(また別な一人の人間が全てのセリフを発声して)表現しているわ…

レ・ミゼラブル映画版の感想

「レ・ミゼラブル」の映画版を見てきた。ツイッターで書いたのとほぼ同じなんだけど、一応まとめて転載。僕は「レ・ミゼラブル」のミュージカルの大ファンで、たぶん9回くらい見ている(小説も読んだ)。それが映画化されるということでちょっと心配と、ミ…