レ・ミゼラブル映画版の感想
「レ・ミゼラブル」の映画版を見てきた。ツイッターで書いたのとほぼ同じなんだけど、一応まとめて転載。
僕は「レ・ミゼラブル」のミュージカルの大ファンで、たぶん9回くらい見ている(小説も読んだ)。それが映画化されるということでちょっと心配と、ミュージカルの制作陣があのエネルギッシュなやり方で映画にもかかわっているということでちょっと安心と両方あってみた。
結論からいうと、良かった(冒頭のCGはちょっとどうかと思うが、そこからあとはいける)。すごい。名作である。普通に始めてみる人はなんというか「格差社会もの」として見られると思う。すごく泣く。
特に院生崩れとしては、「人生はこんなふうになるはずじゃなかった」と唄われたあたりでもうボロボロである。ネタバレは避けるが、それがああなってこうなって、綺麗事じゃない分、ほんとうにガンガンくる。
小説版*1を知っている人は、(舞台では省略されている)細かなネタが結構拾われていることに感慨を覚えると思う。「お、そういえば」「む、この人は」というシーンがあちこちにある。脚本も監督も、みんなあの変なエッセイでいっぱいの小説を読み込んだんだなあ、という感じである。
そしてミュージカルのファンとしては、やっぱりナンバーが気になるところ。曲はほぼ全曲ある(僕が気づいたところでは "dog eats dog" だけがなかったように思うが、見落としがあるかもしれない)。アレンジなどはほぼ舞台のとおり。歌のうまさは、もちろんミュージカル俳優ほどではないが、気になるレベルではない。普通に感動できる。オリジナルのナンバーも一曲(名曲ではないがまずまず)。
面白いのは、映画になることによって、これまであまり目立たなかった曲に光があたること。とくに独白っぽい曲の迫力が舞台版よりも増しているように感じられた。("who am I ?" "bring him home" "empty chest and table" あたり)。残念だったのはテナルディエのナンバーと ”a little fall of rain"。でも問題ない。
それと、コゼットが本当にいい。多分歴代最強コゼットである。とにかく、この映画は本当にいい。見逃したら一生後悔する。お勧め。