日韓の比較社会学って面白いかも

NHK-BSでやっていた地球特派員2009 <終>「非正規雇用50%の衝撃〜韓国・苦悩する格差大国〜」ビデオに録っていたのをようやく見る。

番組の問題意識とはちょっと違うのだが、見ていて思ったのは日本と韓国がいかによく似ているかである。考えてみれば、非正規雇用、格差、少子化、高齢化、一極集中、受験競争と、日本で起っている問題の大半は韓国でも起っているのだった。
むしろ、韓国のほうが人口が少ないぶん、影響が迅速かつ激甚に現われている感じすらあり、こういう存在は日本社会の研究のために、比較対象として非常に重要だという気がする。

ひと昔前までは、韓国を発展途上国に分類して、「似ているけれど違う国」としてその「違い」に重点を置いて見るという風潮が大きかったと思うのだが*1、今は「似ている」のほうに重点を置いてもいいのじゃないかな、と思う。

実際のところ、日本と韓国は、ともに中国に強い影響を受けた文化的起源をもち、政治・軍事的にはアメリカの同盟国であり、工業製品の加工と輸出に依存し、民主主義国家であり、家族主義的な福祉制度を持ち、学歴を重視し、と共通点が非常に多い国なのだ*2。言うまでもないことだが、地理的・気候的条件も似ている。

なので、双方を比較して共通点、相違点を見ていくというのは非常に有用なことなのではないかと思う。と言ってすぐにはやれないんだけど、一応社会学をやっている者としては関心を持っておきたいなあ、と思った。

まあ、本気で韓国研究やってる人から見れば「何世迷いごと言ってんの、お前?」みたいな話なんだとは思うんだけどさ。

*1:それには歴史的経緯とか(左右両方からの)色々な事情があったと思う

*2:なぜそうなったのかとか、そのことの利害得失や責任はとか、あるいはどちらが本家本元かというような議論はさておく。そういうのが不毛だとは思わないが、ここでの僕の関心はそこにはない。